ひとつの言葉*



じゃあね
またね
さようなら

別れ別れ 離れ離れ
つぎつぎと つぎつぎと

あの頃 緑はかがやいていた
つよい風にも笑っていた

じゃあね
またね
さようなら

枯れると知って 落ちると知って

この頃 緑は悲しんでいる
やさしい風にもおびえている

じゃあね
またね
さようなら

積もり積もり 募り募る
つぎつぎと つぎつぎと

見上げた空がまぶしくて
のどの奥がむなしく鳴った

カラカラと カラカラと

緑は色を失って
しずかな雨にからだを濡らした
モノクロな世界が迎えてくれた

緑は形を失って
言葉のなかに温もりをさがした
言葉の意味がわからなくなった

褪せると知って 朽ちると知って

たったひとつの言葉もいえない
たったひとつの言葉も消えない

その頃 緑は芽吹いていた


*'12/10/10 「ひとつの言葉」 改