「ゆっくりと自分の中にあるものを感じながら筆を動かしてみるとね。同じ一本の線でも違った線になってくるんだなって」
「絵の具を塗りたくることじゃなくて、心っていう不定形なものを画面上に定着させること、かな」
「僕より上手な人も、素晴らしい絵だって、いくらでもあると思いますよ。でも僕が描いたこの絵は、僕にとっては世界に一つしかなくて、唯一無二なんです」
「だって、僕の中にあるものは僕が描くしかないでしょ?」
「別に残らなくたっていいんですよ。たとえ空っぽのゼロになったって、そこにはもっと僕らしい僕がいると思うんです。その僕が今度は何を生み出すんだろうかって、そっちのほうが楽しみです」