まぶしい



「ねぇ、起きて」

うん。
わかってる。

「起きてったら」

うん。
もう少しだけ、待って。

「遅れちゃうよ?」

うん。
わかってる。

「先に行っちゃうよ?」

うん。
ぼくのことは、気にしないで。

「はーやーくー」

わかってる。
わかってるんだよ。

「おーきーてー」

わかってるから、
そんなにゆすらないで。

「嘘つき!」

ごめん。
ごめんね。

「また私をひとりにするのね」

あれ。
これは、誰の声だっけ。

「本当にもう知らないからね」

あれ。
誰だっけ。
誰だっけ。

「さようなら」

待って。
待って。
待って!


目が覚めると、そこには誰もいなかった。
ぼくは夢でも見ていたのだろうか。

いま何時だろう。

ああ、太陽がまぶしい。


Photo by Konji Nogitsune