ア、サムデイ



 雪がとけて、少し晴れ、うすい青色が空にみえた。
そしてぼくは、少しうれしい。
そう心につぶやいて、ひとりで朝を満喫する。
だれもいない、ひとりきりの朝を。

 甘くてあたたかい乳白色の液体を、ちいさな茶碗に泳がせる。
ぼくは、これを飲むのが好きだ。
だっておいしいんだもん。

 ピイーピイーと鳴く名前のしらない鳥たち。
それにまじって、ぼくを呼ぶ声。
ぼくは声の主のもとへ急いだ後、ほどなくして、ガラス窓を開ける。
そうしてぼくは、つまり、洗濯物を干すのだった。

 まだ目の覚めやらぬ空気のなか、新鮮なひかりを浴びている。
それに、ちいさく揺れてもいる。
シャツや下着や靴下など、ある意味それらは、ぼくのぬけがら。

 そうこうしながら、ぼくはいろんなことに想いをめぐらす。
ものごとに志がない時、それはどんな意味をなすのだろうか。
左右に揺れてはじめて、真の中心を知るのだろうか。
うわべだけの言葉に、一体なんの価値があるのだろうか。

 一巡りした後、今度はある一人のひとに、想いをかたむけていた。
それはまるで、星を描くようにおぼつかない。
そもそもカタチではないからだ。
けれど、嵐のなか、荒れくるう波にもまれても、決してひっくり返ることのない。
そういうものだと、ぼくは思う。

 まだ出会っていない素晴らしきものは、まだまだ、ある。
ねえ、そうでしょ?
人々の灯りが消える頃、星々を見上げる地上の瞳。
耳をすませて、そおっと閉じた。