カクテル



 見る所を見ることなく、聞く所を聞くことなく、こころはいつもざわめいている。
錯覚と自惚れのカクテルに、ひとり、ひとり、ただ酔う日々。

「あなたは、誰かの憂いに気付けますか?」

 どこからか、冷たい吐息はやって来る。
そして、わたしの目頭、耳元を熱くする。