あなたを見てると、笑顔を忘れる。
悲しいわけではないのだけど、嬉しいわけでもないのです。
時は流れているのでしょうか。
そう自分に問いかけてから、あなたにも問いかけてみます。
返ってくる言葉は、いつも決まって赤い色です。
それはまるで、秋に見られる紅葉のようです。
何かを知らせる信号のようです。
夜を告げる夕陽のようです。
ふと見上げた空が、いつまでも青いとは限らない。
りんごの実も、わたしの心も、いつまでも青いとは限らない。
時に立ち止まり、時に恋焦がれ、時に道を見失うのです。
それでも朝日はやって来ます。
たまには雨も降っています。
何故、そうなっているのか、わたしにはわかりません。
あなたにもわかりません。
けれども確かに、流れているのです。
行き先はどこだか知りません。
どこから来たのかも知りません。
しかし、わたしが思うには、決して同じことを繰り返しているだけではない。
同じようで、同じでない。
そんな道を、螺旋階段をのぼるように、もくもくと進んでいるのだろう。
そして、少しずつ、世界と未来を広げている。
天と地の高さを知って、喜怒哀楽を味わうのです。
すると、何故だか不思議と、流れているのです。
同じようで、同じでない景色の中。
いつの間にか踏み出していた、わたしの足跡に気づくのです。
ある人は違う道を行き、ある人はそれを辿るのです。
また、ある人はそれを“進化”と呼ぶのでした。
わからなくてもいいのです。
いつでも“これから”という“現在”があるのです。
なんとなくでいい。
感じられたら、それでいいのです。
感じなくても、それでいいのです。
でも、たまには、
――あなたを見てると、笑顔を思い出す。
なんてことも、言われてみたいな。
うん。